2013年の研究会の内容をご紹介します。
文献紹介と参加者自身の研究,合わせて4件の発表がありました。
発表された文献は,2014年に翻訳書として北大路書房より出版予定です。
また,発表された研究は,研究会での議論も参考に,投稿・学会での発表がされています。
自己調整学習研究会 2013年研究会
日時:2013年3月17日
発表スケジュール
■文献紹介
10:30 塚野州一先生
Charlotte Dignath van Ewijk (2011) Assessing Students’s Acquisition of Self-Regulated Learning Skills Using Meta-Analysis. In Zimmerman & Schunk(Eds),Handbook of Self-Regulation of Learning and Performance. Chapter 24.
11:30 犬塚美輪先生
Tonks, S. M. & Taboada, A. (2011) Developing self-regulated readers through instruction for reading engagement. 同上. Chapter 11.
動機づけ過程を重視した読解指導法であるCORIの紹介です。
■ 研究紹介
13:00 寺田未来さん
タイトル:学習場面における自己調整メカニズムの検討
“自己調整”という概念は広範な意味をもち、教育、社会、健康、犯罪、パーソナリティなど、多岐にわたる研究分野において主要な概念として用いられてきました。本研究は自己調整を、“人がある行動への動機づけを高め、別の行動に対する欲求を抑制しコントロールしながら行動を活発化させる一連の過程”と捉え、どのようなメカニズムで学習者は学習を自己調整しているのかを、学習者がもつ動機と有能感に着目し、検討したものです。発表では社会心理学的な観点からの背景をレビューし、高校生を対象に実施した調査の結果を報告しました。
15:00 深谷達史さん
タイトル:テストの自己採点が理解度評定と復習時間に与える影響
学習後,自身の理解状態を正確に判断することは,学習を効果的に行うための必要条件とされますが,多くの研究からメタ理解が必ずしも正確でない
ことが指摘されています。こうした問題に対し,近年の研究は,説明やテストによって学習内容を出力することが理解度評定の正確さを向上させることを明らかにしてきました。ただし,実際の教室場面においてこの知見を応用した研究は限られていることから,本研究は,大学講義において各回の授業の最後に復習テストを実施するとともに,自己採点を求めることで,正確な理解度判断を促すことを試み,その効果を検討しました。
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